
海外赴任することになったけど、
外資系などで会社が引っ越し代を出してくれない場合、
自営業の人、もしくはフリーランスの人が、
自腹で海外引っ越しする場合など、
海外への引っ越し代を安く抑えるにはどうすればいいのだろう?
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- ①引っ越し業者の選び方
- ②最初に出された見積もりからどうやって引っ越し代金を削っていったか
- ③結論:船便+お預け手荷物で引っ越しは可能
ちなみに、我が家は、
2016年4月に東京から台湾の台北へ引っ越し
2019年3月に台北から関西へ引っ越ししました。
自営業なので、もちろん全部、自分たちで引っ越しの段取りをしました。
私たちの試行錯誤から、台湾への格安引っ越し方法をお伝えします。
①引っ越し業者の選び方

まず、どうやって引っ越し業者を選ぶかです。
日本国内の引っ越し業者さんはものすごくたくさんありますが、海外引っ越しを扱っているところは、数が絞られます。
ちなみに、格安海外引っ越し業者さんの一括見積もりができるサイトもいろいろあります。
私も色々と調べたのですが、感じたことは、
✅口コミなどを見ても、かなり評価にばらつきがある
✅国内引っ越しと違って、自分たちに海外引っ越しにまつわる知識や相場感が足りていない
✅会社によって得意な国、地域などがあるが、その専門性は確かめようがない
✅イマイチな業者を選んで失敗したときに、国内引っ越しよりもダメージが大きい
✅ある程度、実績のある大手で安心を担保するのがいい
ということで、全然知らないような格安業者さんから選ぶのはやめました。
ちなみに、大手で、海外引っ越しを扱っているのは、こういった会社です。
私が調べて問い合わせやお見積もりを依頼した感想だと、日通さんなどは大手の企業取引がメインなのか、私たちのような全くの個人にはちょっと合わない感じでした。
結果として、私たちがお願いしたのは、クロネコヤマトでよく知られている、ヤマトグローバルロジスティックスさん。

私たちの状況も丁寧に聞いてくださり、対応していただけたので、本当によかったです。
でも、やはりなるべく費用は抑えたい…
ということで、実際どうやったかを次にご紹介します。
②最初に出された見積もりからどうやって引っ越し代金を削っていったか
海外引っ越しの仕組みをここで説明すると長くなるので、詳しくはまた書きたいと思います。
簡単にいうと、海外引っ越しで荷物を運ぶ手段は、三つです。
①船便
②航空便
③手荷物(自分たちが渡航する際に持っていく荷物)
そして、ポイントとしては、
①船便:容積で値段が決まる
②航空便:重さで値段が決まる
ということ。
だから、重くて、引っ越ししてすぐになくても大丈夫な物は、船便。
かさばる物、引っ越ししてすぐにないと困るけど手では持っていけない物は、航空便。
という使い分けが一般的です。
※1立方メートル(1m3)とは、縦1m×横1m×高さ1mの大きさ。だいたい畳半分くらいのスペースに高さ1m荷物を積み上げたくらいの大きさで、1立方メートルが船便の最小単位になります。
ヤマトさんにお見積もりに来てもらって、最初に出された見積もりが以下のような値段でした。
手段 | 荷物の容量/重さ | かかる金額 |
船便+航空便を併用 | 船便6.5立方メートル(329,305円) + 航空便83Kg(178,706円) | 508,011円 |
全量船便のみ使用 | 7.5立方メートル | 370,741円 |
全量航空便のみ使用 | 892,5kg | 1,171,975円 |
高い!
航空便だけなんてとんでもない。
併用するにしても、単純に計算して、航空便は、荷物1キロ毎に、1313円から2,153円かかるわけです。
(量が増えていけば多少割引になるので、1キロ●●円とはなりません)
これは何とかして減らさなければ!
ということで考えました。
私たちが取った方法はこちら。
①航空便は使わない。
②船便で運ぶ容量を減らす→持っていく物を断捨離してとにかく減らす。
③自分たちで持っていく。
つまり、
- 航空便は、船便よりも早く到着するので、便利な分、もちろん費用も高くなります。➡️航空便を思い切って、カット!
- 極限まで物を減らす➡️なるべく船便に荷物を積む。
- 普通は航空便で運ぶような物➡️自分たちが渡航する際の「お預け手荷物」で運ぶ。
という作戦に出ました。
■そもそも引っ越し全体にかかる費用について
・引っ越し業者さんに支払う金額
・家族の渡航費
があります。
つまり、私たち自身が移動するための費用もかかってくるわけです。
もちろん、会社が出してくれる場合は問題ありません。
でも、会社の経費に算入するとはいえ、自分たちの会社なので、削りたいのが自営業です。
アジア圏への引っ越しで、渡航費を安く抑えるなら、LCC(格安航空会社)を使うのが一番
例えば、3月28日に台北への渡航費を調べてみると、
我が家のような家族5人(大人2人+子ども3人)でJALの場合、132,000円かかります。
それがLCCのピーチなら、プライムピーチというプラン(お預け荷物が2個まで無料)で、104,440円。※
そして、私たちは、
この「お預け荷物」をフル活用して引っ越しをしよう!
と考えました。
なぜかというと、お預け荷物の価格は以下のように設定されているからです。

プライムピーチで多少航空券が高くなっても、お預け手荷物が、2個まで無料になります。
(実際にはシンプルピーチが、一番値段が安いのですが、チケットの変更などがまったくできないプランなので、夫の仕事で日程がギリギリまで読めない我が家は、ここもリスクヘッジとしてプライムピーチにしました)
さらに、1個あたり3,200円の追加料金を払えば、一人当たり、プラス3個まで荷物が預けられます(1人合計5個)。
(ちなみに、JALの場合でも、2個(1個あたり23キロ以内)まで荷物を預けられますが、2個以上預ける場合の値段が、1個あたり10,000円になってしまうので、たくさんの個数を預けることができません。やはり、LCCでの移動という結論になります)
うちの場合、5人なので、25個預けられるわけです(10個分は無料=航空券に含まれる)。
ちなみに、お預け荷物は1個につき20キロまで、3辺の和が203cmまで、となっています。
1個20キロなので、1人5個で、100キロ!
5人で500キロの荷物が運べる!笑
そして、航空券代に加えて、追加の手荷物15個にかかる費用は、
3,200円×15個=48,000円
となります。
最初のお見積もり(ヤマトでかかる費用のみ)
手段 | 荷物の容量/重さ | かかる金額 |
船便+航空便を併用 | 船便6.5立方メートル(329,305円) + 航空便83Kg(178,706円) | 508,011円 |
全量船便のみ使用 | 7.5立方メートル | 370,741円 |
全量航空便のみ使用 | 892,5kg | 1,171,975円 |
ここから、
・船便で7.5立法メートル→3.0立法メートルまで減らす
・4.5立法メートル分のうち、断捨離できるだけして、5人で25個預けられる荷物の量まで減らす
ということです。
※ただし、お勤めの会社がちゃんと引っ越し手当を出してくださるような方には向かない方法です😅
③結論:船便+お預け手荷物で海外引っ越しは可能

というわけで、以上のような試行錯誤の結果、我が家が、東京から台湾・台北へ引っ越しした際にかかった金額は以下のようになりました。
手段 | 荷物の容量/重さ | かかった金額 |
船便(ヤマトへのお支払い金額) | 3.0立方メートル | 189,205円 |
お預け手荷物代金 | お預け手荷物15個 | 48,000円 |
家族の渡航費 | 100,440円 | |
合計 | 337,645円 |
船便に入れた3.0立法メートルの内訳としては、
☑️段ボール箱は19箱
☑️子ども用品(絵本、おもちゃなど、現地で買えなさそうなもの)
☑️すぐに使わないけど必要な食器類
☑️すぐに着ない衣類(これからの季節に着るもの以外)
など。
他の駐在員のお友達に聞くと、段ボールで100箱くらいあったと言っていたので、標準的な個数がどれくらいなのかはわかりませんが、うちは結構少ない方だと思います。
25個の手荷物には何を入れたかというと、
✅衣類(すぐに着るものを衣類ケースに入れたまま持っていった)
✅布団類
✅すぐに使う食器、調理器具
✅子どもの学用品(学校ですぐ使うもの)
✅仕事関連の荷物
などです。
25個の荷物を空港まで運ぶ手段として、我が家は当時大きめのボックスカーに乗っていたので、それに積み込んで移動しました。
(車は、両親に乗って帰ってもらいました)
車がない場合は、ハイエースのような荷物をたくさん積めるタクシーを手配するのがいいと思います。
タクシー代も、都内から成田で、2万円ほどなので、全体の引っ越し代金削減からすると許容範囲かと思います。
というわけで、LCCが利用できるアジア圏であれば、
海外引っ越しは、船便+LCCお預け手荷物で、値段を抑えられる!
わけですが、最後に、この方法のメリット、デメリットをあげたいと思います。
メリット
- ⭕️引っ越し代金を抑えられる⏩引っ越し業者さんに払うお金が、最初のお見積もり50万円から、18万円に減らせた!
- ⭕️引っ越しを機に荷物の断捨離ができる⏩船便で運んだ量もかなり少なくできた!
デメリット
- ❎荷物のパッキングに工夫が要る⏩1個あたり20キロなので、重さをはかりながら荷詰めしました。
- ❎空港までの荷物の移動、チェックインカウンターでの手続き、入国時の手荷物受け取りが大変⏩さすがにかなりの荷物量なので、家族全員で空港内を何往復も。周りの目が気になる人にはオススメできません😅

お金で解決できるなら、もちろんお金で解決したいのが引っ越しです。
でも、会社が負担してくれない場合や、個人事業主で減らせるものは減らしたい、という場合には、あらゆる手を尽くさなければなりません。
我が家のようにまったく航空便を使わないというのは、かなり振り切っているかと思いますので、それぞれの状況によって最小限、航空便を使うことも必要でしょう。
また、持ち家の方なら、自宅に荷物を置いていったり、コンテナルームに預けたりすることもあります。
いずれにしても、
海外引っ越し代金を下げる一番のポイントは、航空便を無くす or 減らすこと。
今回は、台湾に引っ越した私たちの例を元にご紹介しましたが、アジア以外への引っ越しでも、基本は航空便を減らすことで、費用は減らすことができると思います。
これから海外引っ越しされる方に何らかお役に立つ情報であれば幸いです。